現代の数奇者として
「数寄」という言葉を聞いたことがありますか?
「数寄」という言葉の元々の語源は「対象に心を寄せること」でした。そして、その対象は時代を反映して移り変わっていき、室町以降より現在まで「数寄」と言えば一般的に茶文化のことを指します。
茶文化の発展に関わった有名な大茶人の側には、常に彼らを金銭的にも精神的にも支援し、自由な発想で新たな風を吹き込む数奇者の姿がありました。
また、西洋文化の吸収に熱心に取り組む一方で、日本独自の優れた伝統文化を軽視する傾向にあった明治時代以降も、社交の場として茶文化を守ってきた数奇者たちは、しきたりに囚われることなく自由に道具を取り合わせ、洗練された趣味趣向を取り入れることによって茶文化に新たな風を吹き込みました。
このように、数奇者たちが粋な精神のもと、茶文化を継承してきたのおかげで、今日私たちも茶文化を楽しむことができています。
今日、あまり聞かれなくなった「数奇者」という存在。しかし、数奇者は過去の存在なのではなく、誰でも数奇者になれます。一緒に「数寄の精神」を学びながら世界に広げ、未来に継承していきませんか?